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とんぼ玉技法の部屋

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水草「ミシマバイカモ」の作り方

金魚草と言えばいいんでしょうか。(水草には詳しくないので)
静岡県の富士市に住んでおりまして、三島市は近隣の場所になります。
富士山の伏流水が豊かな地で、柿田川湧水群は有名です。
玉はあまり良くないのであしからず
花は5弁にしてもっとクッキリですね
水草の葉は玉に乗せて押さえすぎて
しまいました。


三島梅花藻(ミシマバイカモ)をイメージして試作しましてので、紹介します。

花の作成

花のイメージは、花芯周りは、あざやかな黄色  5弁の白い花びらで先端は丸い 可憐な 小さな花

花パーツの出来上がり断面になります。

花芯の作成です。

心棒に白ソーダを円柱形に巻き取ります。
上に黄色透明の鉛ガラスを巻き付けて全体に延ばします。
途中コテで凹凸を取ること。
鉛クリアーを大量に巻き、全体に延ばします。

これを細引きして芯の完成。

花芯

上の細引きを2〜3cmにカットします。(7本使用)
細引きを細めにしてしまった場合には本数を増やせばよいでしょう。

心棒先端にポンテ用ガラスをつけて花芯を7本乗せます。
芯と芯の隙間をクリアーで埋めます。一箇所づつクリアーを乗せたら直ぐにコテで押さえて平らにします。

炎で軟らかく溶かし込み、中の空気を逃がしながら円に仕上げます。

あとは普通の細引きの要領で適当な太さに細引きします。

7本の束ね方は
最初に7本を針金で束ねてしまい、余熱して 心棒のガラスに取り付ける方法。
中心の1本を最初に心棒に取り付けておき、順番に1本づつピンセットで追加取り付けする方法。  がありますね。

個人的にはピンセットで取り付ける方法をマスターした方が、今後の花製作のレパートリーが増えると思います。(2重の花の作成などの場合)

花びらの製作

花びらの断面になります。この断面になるようにガラスを重ねていき細引きして出来上がりです。

心棒にガラスを巻き取り まずクリアーと黄色透明を図のように2層にした山形につくります。

外側に花びらになる白ソーダを巻きます、図の黄色の下面は花芯に取り付ける面になりますからそのままにしておきます。

白ソーダのデコボコ面を取り、縦ミゾを数本つけます。ミゾはナイフの刃面を押し付ければ出来ます。 炎で表面を加熱してミゾを平面にします。(表は平らに戻りますが反対面は凸部が残ります。これが一番上の花写真の花びらの筋になります。

最後にクリアーを白ソーダに被せます。

花びらの作り方で一言

ガラスを巻きつけるのではなく、塗り重ねる方法で製作しました。

ガラス棒を先端だけトロトロになるまで加熱します。
左図のように玉に右から左に擦り付けます。終端処理はさらに左方向に延ばしてから持ち上げて中央付近に点付けしてから引き炎で切り取ります。
直ぐにコテで平らに押さえます。
この動作を繰り返して着けていきガラス面を仕上げます。一連の動作は炎の上側で行いガラスが冷えないようにすることが重要になります。
コテで形の崩れを直しながら行えば、クリアーの二層、白ソーダの花びら、仕上げのクリアー巻きまで完成できます。
このテクニックをマスター出来れば、複雑なモザイク的な形状も作れるので、重宝しますね。

花の組立

組立は花パーツの出来上がり断面の図を参照してください。
通常の花の組立方法で完成させてください。

玉に着ける花パーツの形状

パーツのカットは先端を尖がらせないで。玉に埋め込みしない方法が良いでしょう。
玉の下地にはすでに水草模様があるので、玉の面に花パーツをくっつけるだけの方法が良いと思います。

作り方は、細引きの端を炎で軟らかくしてからポンテまたはピンセットで円錐状に引き切ります。 さらに先端を丸くなるように炎で加熱してやります。
先端を御椀形に仕上げて 必要な長さにカットします。
(一番上のとんぼ玉試作の花はこの作り方をしていませんので)
花の開き方は通常の方法です。天面にクリアーを山盛りにつけておきコテで押して開きます。

水草の作成

完成イメージになります。

茎と葉の各パーツを作成して組合せて玉に載せる手順になります。

茎の製作

図のような層にガラスを重ねて
細引きを作成します。

茎用と葉用に共用使用します。

細引きは4mm位にします。
緑の直径が出来上がりの太さですから、クリアーの厚み具合で変わってしまいます。

上の細引きの先端を炎で尖らせます。
心棒にクリアーを円柱にして軟らかくしておき、細引きを中心に突き刺します。
細引きは心棒位置まで刺して余分をカットします
クリアーは変形しますから、コテを使って緑の細引きを包むように形を治します。
これを細引きして茎の直径サイズに仕上げます。

茎の外側にクリアーを足すことで細い緑でも炎に負けない状態にするためです。

葉の作成

心棒にクリアーを円柱状につけ周囲に緑の細引きをつけさらに外側をクリアーでかぶせます。
これを細引きします。

細引きの先端を炎で炙り、引っ張って切り図のような円錐形に作ります。

一茎あたり数個必要になります。

水草の組立

細めのポンテを作り先端に茎を取り付けます。
茎を下に向けた状態で持ちます。
炎の上で茎が柔らかくなる寸前まで暖めていきます。
そこに円錐形の葉のパーツを先端だけ炎で炙り茎に接合します。
ポンテと茎を切り離します。

玉への組付け

地玉に組立た水草を乗せます。
葉の円錐形の先端カット面にクリアーをつけます。このクリアーは炎で葉の先端がツボムのを防止します。

水草の組立段階でクリアーを付ける作業をしてしまうのも良いでしょう。

玉全体を加熱しながら水j草と玉の隙間をクリアーで埋めます。
炎で全体が馴染んでいくようにします。
コテはなるべく使わないほうが自然体に出来上がります。
凹みはクリアーを点付けして平らにしていきます。
おおよそ玉の丸になってから花パーツを取り付けてください。
花を開かせて、段をクリアーで埋め、表面を滑らかに仕上げて完成です。
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