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とんぼ玉技法の部屋

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点打ち

点打ち作業に関する色々を書いてみました。自己流ですからよろしく。
同じサイズの点を作るのは難しいものです。
そんな参考になればと思い色々と書いています。

点打ち用の細引きガラス棒について

点打ち用のガラス棒は通常細引きして使いますが慣れてくると
太いガラス棒でも点打ちできるようになります。

ただしあまり小さな点は打てません。ガラス先端を溶かしていくとどうしても丸く
だんだん大きな丸に成長するので。自然の法則ですね。

こんな場合は先端だけ細引きしましょう。先端にポンテをつけて少しの長さ分
細引きすれば小さな点打ちもOKですね。
点打ちの大きさ

図は点打ちした瞬間の状態を表しています。

点の大きさは、点打ちのガラスが接触した面積できまります。
同じ大きさの点を打ちたい時には、ここを注意して作業します。

厳密には点打ちしたガラスの量が点の大きさになります。
図1のように点打ちの接触面が決まればガラスの表面張力でその高さは一定になりたがります。
つまりガラスの量は一定になります。一定になりたがると言ったほうがよいでしょう。
ですから図2のように高さが盛り上がってしまい大きな点にはなりません。
接触した面積が小さければ小さい点に。大きな接触面積であれば大きな点になります。
たとえば、点打ちが失敗して円形が崩れても、炎で馴染ませていくと円に落ち着きます。
ガラスの表面張力を考えうまく使って作業するとよいでしょう。

点打ち後のガラスの切り方

炎でガラスを切ります。
点打ち後ガラス棒を引っ張り少し伸ばします。
伸びたガラスを炎で溶かしぎみにして引き切ります。
炎で切る時を観察するとガラス棒の溶ける部分が点打ち側に移動していき
切れていきます。
ですから、点打ち位置にガラスの量が少ないなと感じた場合は
炎の加熱場所を玉から離した位置にすると点に十分なガラスが移動します。
反対に点打ちの接触面が広すぎた場合には
炎の場所を玉近くに移動し早めに引き切ります。

こんなことも配慮して点のガラス量を調整したりします。

まん丸の点にする

真円にするのは練習を重ねないとね。
まずは点打ちしたガラスを加熱して表面張力でまんまる状態にもっていきます。
作業の基本は、盛り上がっている点打ちガラスを平らに押さえることです。
何度か練習していくと気づかれるとおもいますが、気持ちは平らに押さえているつもりでも
横から、また斜めから観察すると大概は押さえ方が傾いてしまっているはずです。
押さえ方が平らであっても玉の方がどちらかに傾いてしまっていることに気づかない場合もあります。
一度で押さえてしまわずに2から3回に分けて完成させる、途中楕円形になっていないかも注意します。

点の位置がズレた場合は
少しの位置ズレ程度でしたら最初の押さえをワザと傾けて押さえ込むこともします。
希望する方向にガラスが動くつもりで押さえるコテを傾けてやります。
その後に少し加熱してやり表面張力のちからを借りて丸形に近づけた後平らに押さえていきます。

点の縁を美しく仕上げるには

点打ち直後は美しくできても完成近くなると点の縁がぼやけてしまう。くっきりした点に完成できない。
こんなことが、初めのうちは有るでしょう。こんな事に注意すると良いでしょう。

点打ちの押さえ方を工夫してみましょう。

点打ちのてっぺんを1図のように台形に軽く押さえます。
次に玉の加熱です。
点のガラスと玉のガラスの温度を同じにするように持っていきます。
加熱すると点の盛り上がり部分に強く炎がぶつかりますから玉よりも点の方が
軟らかくなりすぎますから一度炎から外して冷まします。
冷却は玉よりも点のガラスの方が早く冷めます。
同じ温度か点の方が低い温度になったところを見極めて
点をしっかり押さえて玉の面より若干高いかなぐらいの感じで押さえを完了します。
点の縁がくぼんだような感じにできれば最高です。
押さえは、2~3秒じっくりと押さえるようになります。玉側のガラスが硬めですから
点打ちのガラスがジワジワと玉にめり込むイメージです。最後に玉全体を加熱して馴染ませます。
玉側の温度は点打ちのガラスがめり込むまで軟らかくすることです。
ですから点打ち前にその近辺まで玉の温度を上げておくのも重要です。玉の温度を冷やさないこと。

出来上がった点打ちのガラスの縁はある程度の厚みの有る状態で玉側のガラスと接するようになるので
玉と点打ちのガラスの境界線がはっきりするために縁のにじみやぼやけが出ないと思っています。
一気に押さえてしまわないこと。ここに注意です。

同心円の点打ち

同心円はどうしても位置ズレをしてしまいますね。
こんな時には表面張力のちからを借りましょう。

まず1度目の点打ち完成状態ですが、中心部分が若干盛り上がった状態で終了します。
一度目の点打ちを真っ平らににしないで気持ち盛り上がった状態で馴染ませると
中心が若干盛り上がった感じにできます。
その上に2度目の点をうちます。炎で馴染ませていくと表面張力の力で
2度目の点打ちガラスは1度目の点打ちのお山の中心に集まろうとします。
つまり一度目点打ちのの中心に集まろうとします。
そうしておいて押さえていけば同心円の完成です。
大切な点は、炎で馴染ませて行けばガラスは自然と丸くなって馴染んでいくこと。この動作を利用しましょう。

引っかき作業

引っかき作業もちょっとしたコツが必要です。

工具は先端が真っ直ぐなものと曲がったものがあります。
各々使い勝手が違ってきます。

真っ直ぐな引っかき棒の使い勝手は

右利きの場合です。
鉛筆を持つように握りますね。針はなるべく垂直に使います。
そうすると右手が玉との視線をさえぎる位置になります。またどうしても針の向きは
右下、図の様な向きになってしまいます。こうなると図で示しているように作業しやすい
方向が出てきてしまいます。
左方向はうまくできるのに右方向はうまくできない。こんなことになります。
でも、鉛筆持ちの握り方ですから親指と人差し指で微調整が、細かい動きができます。

曲がった引っかき棒の使い勝手は

グリップを握る持ち方になりますから真っ直ぐな引っかき棒のように手が邪魔で見にくいといったことが起きません。
針先が良く見えますし針先の向きも自由に倒せます。このへんはやり易いですね。
でもグリップ握りになるので指先での微調整は出来ず、手首と腕全体での微妙な操作が要求されます。

どちらが自分に向いているかということになりますね。

針先の動きは

針先の使い方をちょっと解説します。

針を刺す位置の説明です。

普通2回ぐらいに分けて引っかきます。
一度目は点の縁より少し内側から引っかきます。点打ちのガラスを引っかき側に
持ってくる感じです。
二回目には点打ちの境目に針を刺して完成位置まで引っかきます。

小さい点の場合は一回目で完成させることになりますが針先の動きは
一回目と二回目を連続したような動きになります。

針先で引っ掻く分のガラスを動かしてからガラスの境目に針先を移動させて
引っかきを完成させる動作になります。

引っ掻く方向と針の倒れ方向も重要です。

同じ針の倒れ方で左方向と右方向に引っ掻く場合の違いです。

左に引っ掻く場合には針先に点打ちガラスがまとわりつく状況になるので
針の刺す深さを浅くできますし点打ちのガラスも伸びてくれます。

右に引っ掻く場合は逆の現象になります。

引っかき跡などを観察し状況により使い分ける工夫をしてください。
針の倒れる角度によっても点の出来具合に差がでます。
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