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とんぼ玉技法の部屋

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灯油式バーナーの炎の調整について

「佐竹」製の灯油式のバーナーを使用していますので、炎の調節について、説明をしておきます。
灯油バーナーは着火後、数分かかって火力が上昇し安定します。安定前にガラスを溶かすとススが混入します。
購入時の説明書は紙1枚だけで、初めての人は解らないでしょう。
炎力を強くする方法も書いてありましたが、やってみると、ガラスにススが付いてしまうようで、炎の強弱調整をする使い方は期待できません。

炎の状態を写真で撮影しました。どの位の炎状態で使えば良いか参考にしてください。

バーナーの炎芯の出具合になります。

上部の金属端からほんの少し盛り上がったくらいの芯の高さ
または金属端と同じレベルにしています。

これより芯を出してしまうとススが出やすくなります。エアーの量を絞りぎみにすると間違いなくススで玉が汚れてしまいます。

天面の耐熱石膏部分はこまめに清掃します。
掃除しないと、黒色のススが固まり盛り上がってきます。

私は楊枝の先端に布切れを巻きつけ消火するごとにふき取っています。
エアー量が多すぎます。

炎の色が薄れぎみになり勢い良く炎が出ています。

この状態で玉にするとガラスの表面がガサガサ状になります。

爪先でガラス面をこすると凸凹が爪先に感じ取れます。

上より少しエアーを絞りました。

まだエアー量が多すぎます。

作業中の炎状態です。

上の写真状態からエアーを絞っていくと炎の勢いが軟らかく変化します炎の色も濃くなります。


さらにエアーを絞ります。炎の高さが上の写真より高く昇ります。
炎の高さは15cm以上になります。
炎の上部1/3位の所で作業します。

玉の仕上げ近くの作業でこの位の炎にします。

炎柱が順々に立ち昇る感じです。

この炎で最初から作業してもかまいませんが、炎が高すぎるのと
炎の色や輝きが強すぎてまぶしいので私は仕上げの時だけこの炎にしています。

きれいなツヤが出ます。

玉のツヤ出しについて

炎は上の写真で一番下の状態が良いでしょう。

炎の上側 1/3位の部分を使います。

玉全体を炎に入れっぱなしにせず、主に玉の表面を炎に当てるように回転させます。

玉の温度加減について
玉に熱を加えるとガラスの色が赤く変化していきますね。これをやってはダメです。
玉の表面のガラス色は変化しないように加熱し高温状態を保持します。
玉は熱くなりすぎないように、時々炎から遠ざけてを少し冷まします。
でも玉の内部は熱いままを保持します。
(明るい所では表面の色変化は感じられませんが、暗い所で見ると内部は赤く変化しています)
この熱を加えて冷ます作業の繰返しがツヤを出す効果を増幅してくれると思っています。
ガラスが冷めると表面が縮もうとして引張り合うので表面が平らになるのでしょう。

ガラスの表面がテカテカ光って見えてきます。色ガラスの表面もクリアーガラスを薄く被せたように光って見えれば正解です。直ぐに徐令作業に移りましょう。

ツヤの出なかった玉の表面を爪の先で軽く引っかくようにすると表面の凹凸が爪先で感じ取れるでしょう。ツヤが出ないのは表面に微細な凹凸が残っているのも要因だと思います。
炎の勢いといいますか、エアーの勢いなどが強すぎてガラス面に衝突して微細な凹凸が消えないとも思っています。
ですから、炎の勢いは軟らかくソフトに心がけて仕上げの動作にもって行こうとしています。


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