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とんぼ玉技法の部屋

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水中花など作業での注意やらコツの色々

私め まだまだ のテクニックながら こんな題目で少々書いてみました。
話半分でご覧ください。 参考になるものやら この程度? なる内容。 色々の思いつきでございます。

最初は基本的なことから
   

玉形状ガラスのの手直しなど

ガラスを玉にまとめた時です。出っ張り部分が有るとして
ここを修正するときは?

通常教えてもらうのは、右上図のようにコテで上から押さえて・・・ですね
でも 押さえ方にも色々有るので工夫してください。

右下のように炎に当てながら 下からコテで押す場合も有り。
玉が柔らかい時など有効。

極端な場合では 逆さま状態でコテで押さえたり。
又は斜めに傾けたりの状態で押さえることも。

要点は、ガラスの自重も利用して効率よく押さえを完了します。

引き伸ばしでは

これは難しいですよね。花ビラのパーツでは、五枚の花ビラが同じ断面にしないといけませんね。
同一太さの引き伸ばしは コツもなにもありゃしない ただひたすら練習のみ。

そこで練習に使うガラスは捨てるガラス。何回も何回も引いては溶かし引いては溶かしの繰り返し。
繰り返すと ガラスが粘っこくなります(少し硬めに)ので そこを見越して練習してくださいね。

要点は ガラスの自重を有効に使う です。

放っておくとダラーンと垂れ下がる。 これを利用します。

先ずはガラスを芯まで加熱すること。中途半端はダメ。
中途半端だと 熱い所だけがどんどん伸びてしまいます。

次は鉄芯とガラス玉の境目部分のガラスを細くします。(くびれみたいに)
傾けてポンテをゆっくりと少しだけ伸ばします。感覚としてはガラスの
自重で伸びる感じです。鉄芯側のくびれが出来た。

反対に傾けてポンテ側にくびれを作ります。

この状態のガラスにしておいて引っ張りを開始します。

引っ張りは 急がない事。引っ張り始めのガラスの各部分の温度を
考えて。熱い部分のほうが伸びやすいですから。

くびれの所は少し温度が低くなっているので伸びにくい。
太い部分は伸びやすい。

少しずつ。右を引っ張り 左を引っ張り。最初の引っ張りで無理すると
細い部分が発生してしまい どんどん細く 手に負えなくなります。

必ず右や左のどちらか太い状態が見えてきます。この場合は
全体を傾けて修正です。右が太ければ左側を下げるように傾ける。


ガラスの自重を利用して。こんな感じです。

まだまだ全体は柔らかいです。
無理に引いてしまうとAの部分がどんどん伸びきってしまいます。

じんわりと伸ばす。細くなればガラスの冷えも早まります--ガラスに
粘りが出てきます--粘りが出ると伸びにくくなります。

太いところはまだ熱いのでちょっと引けばどんどん伸びる状態。でも
細い部分が有るので急激には伸ばせない。先にAがのびちゃうので。

ですから少しずつガラスを冷ましながら引っ張ります。

大体同じ太さに近づければ(棒状に伸びれば)引っ張るスピードを
アップします。(そろそろガラスが固まるころになります)
両端は硬くなる寸前かもしれません。 

極端な傾けでは 垂直にして伸ばします。 ガラスポンテでしたら 垂直かな。

実際には、図のように伸びてしまう前に対処ですよ。 右左と傾けながら 同じ太さになるように引っ張ってゆく事。

上下に振って伸ばす時も有ります。右手だけ振る時や左だけ振る時。
振る事でガラスの自重を使い伸ばしていくテクニック。

色々なテストをしてみてください。


大切なことは 
  玉の時に十分に加熱しておくことです。
  また 両端は早く硬くなる事を考えて。
  ガラスの自重を最大限利用することです。
                              無理して引っ張ると中央部分が極細になってしまいますよ。     
                             

初心者はガラスを熱くし過ぎて失敗する

なれないうちは ガラスの温度を上げ過ぎている。 これ共通して感じる事。 私もそうでした。
中心部から表面まで熱々に。 これでは 水飴の上で模様を作ろうとしているようなもの。

基本は中心部分は硬めに 作業面だけ熱くする。
   つまり作業直前に表面を炙るつもりで、表面だけ作業温度にしてやるぐらいの考えで。

ガラスの表面温度が低いと白濁が起きます。又パーツであれば パーツのくっ付け面が低温であると
同じく白濁がおきます。 なので パーツをくっ付けるときには パーツの表面も炙るように。これ数秒間で十分。
元温度が高めの予熱してあれば、2~3秒炙れば十分。

中心部が温度低めでも全く問題なし。割れなければ良し程度に考えて。 ウソー花パーツを刺し込むんですよ?
  その通りです。気持ちの問題。 そんな気持ちでちょうどよしです。

でも始めの頃は温度の程度なんか判りません。 そこで自分なりにテストしてみましょう。
とんぼ玉形にしたガラスを鉄板上で軽く叩いてみましょう。
    カンカンとした音はまだ硬い。 音が消えれば軟らかい。
針で突いてみましょう。
    グイッともぐれば軟らかい。 硬いと突けない。
その境目の温度を知りましょう。 ちょっとの加熱で変化するのが判ります。
   注意点は、現状のガラスの中心部分の温度が高めか?低めか?を予想しながらテストすること。
   この中心部分の温度差で変化の度合いも変わりますので。
   この炎位置で何秒位の加熱で変化するのか? なんですね。


でもたとえばです。 玉の部分的な歪み修正時。 ここだけ炙ればいいのか? いえいえこんな時は玉の反対側
まで炙るつもりで修正を。 つまりは 歪んだ分のガラスはどこかに移動するわけですから 移動先が硬ければ
移動出来ない。 結果スムーズな修正ができなくて 模様が有れば 崩れてしまって どうしよう上手くいかない。
こんな事にもなりますので。 ガラスは軟らかいときは 粘度の高い水だと思って作業です。  色々考えないと。 



水中花。最後は玉全体にクリアーを被せるの?

指導で水中花は最後に玉全体にクリアーを被せます。

でも初心者でクリアーを玉全体に被せるなんて到底無理。

そこで考えてみましょう。
 クリアー被せはクリアーの厚みをつけて水中花らしくさせるためのもの。

それなら 開花作業時の花に乗せるクリアー量を多めにすれば同じこと。

これで十分なり。

花パーツの作成では
    5枚の花びらであれば その断面は 同じサイズに。

同じ太さで花ビラパーツガラスを細引きしましょう。 難しいですけども チャレンジしないと。
引き伸ばしの練習をしましょう。

花ビラを花芯に付ける。
     花ビラはなるべく均等に配置、配列を

粘土などの上に立てて見て隙間の度合いを確認します。
(どの位の間隔で花ビラをくっ付けましょうか?)

よく全体を針金で縛って位置関係を決め手予熱して鉄芯に付ける解説が
有りますね。 私の考えですが 出来るだけピンセットで一本ごとにセットする
テクニックで組みたいですね。

ピンセットで一枚一枚花芯に付けるテクニック。これって重要なテクニック。
この作業が出来るようになると 色々の場面で大活躍。
  針金で縛るのも案外大変。滑って滑って です。

捨てるガラスでこの練習。 同一太さにする練習の続きでこれをしましょう。

組んだあとの 周りのクリアー量

花ビラ間の隙間を埋めるクリアーの量が案外重要。

ケチって薄くしてしまうと、 開花作業の時に失敗ですよ。上手く開かない。
クリアーの役割は、開花時に加熱する時のクッションのようなもの。

クリアーが少ないと上手く開花できても、気泡が残りやすくなったりします。
要注意ですね。
ついでに尖んがりの花ビラは

同じ花ビラパーツでもクリアーの位置違いで尖んがりタイプになります。

クリアーを花ビラの間だけ乗せます(多めのガラス量) 花ビラ面はそのまま。
それからコテは厳禁。炎だけで馴染ませていきますとゆりのような花になります。

完成時には全周クリアーで囲まれます。
クリアーの量は全体を包む量から逆算して 多めに塗るのがポイント。

花芯の工夫で変化

花芯侮ることなかれ。 
   配色や、雄しべ 雌しべ の変化。 本数。 一本一本の太さで花表情がよくなります。

割と太すぎの雄しべは造化のように見えてしまいますので注意。

花ビラのガラスは薄く

花ビラのパーツでソーダの白はなるべく薄くしましょう。

厚い花にしてしまうと 造化のように見えてしまいます。
薄い花ビラに完成させれば 本物の花に見えます。

「ガラスの中の花なんだけどね、朝早く公園で花を摘んで、さっきガラスの中に
入れたんだよ」  ・・・・「そうなんだ」  と親子で感心。 そんな花になりますよ。

先端部の処理は丁寧に

細引きした花パーツ材からの制作。

先端のカットは丁寧にしましょう。
炎で引き切りますが、先端の処理はしっかりと。
   長すぎ分はカットしたり
   再度炙って丸めたり
   さらにはコテで押さえて平にしたりと  色々と。

反対側のカット

カットした面はスパッとした面にするように心がけしましょう。

ザラザラ、ギザギザ面は完成後の花びらが汚く見えます。
カットの凹凸が即花に影響します。

スパッとカットするには? 
   カッターの刃がガラスに接触しないように注意します。(手の震え、カットのためらい)
  理由は?
   カッターは鉄、冷えている。これがカット線以外の所にさわるとヒビ割れが出来る。
   その近くをカットすると ヒビ割れが大きく発生して凹凸カットになる。

玉に花パーツを真っ直ぐにさします

玉に花のパーツを取り付ける時 パーツは垂直に刺し込みます。

当然の事とお思いでしょうが、綺麗にならない原因の大きなポイントです。
必ずクセが出ます。  真っ直ぐと思っているだけですよ。実際は倒れていますよ。

良く観察しましょう。 立て横 斜め と見るとほとんど曲がって傾いていますよ。

差し込んだ直後は必ず観察して傾斜を修正しましょう。

玉の斜め位置の花でしたら その面に垂直に刺すのですよ。

クリアーの盛付け

花の上に盛り付けるクリアーは大切な作業。 綺麗に仕上がるか を左右する。

多めのクリアー量が無難です。

このクリアー、押し付け方向には 問題なし ですが引っ張る方向は 厳禁 です。

引っ張る動きが発生するとクリアーと一緒に花ビラ先端のガラスも移動してしまいます。
これで花にすると 花ビラの先は モヤッと 紙を引きちぎったような状態や
花ビラの端をめくったような形状に 必ずそうなります。

クリアーの盛付け失敗

クリアーがこんなになっちゃいました。 修正も難しい。

こんな場合は ひっくり返してみましょう。 クリアーを重点的に炙ると
ジワジワと戻ってくれます。 同時に花の倒れも修正してくれます。
  (地球の引力が大活躍)

上向きに戻す時には 少し冷却して硬めガラスにしてからです。

ガラスは水と一緒。 表面張力で丸くなる お皿の上の水滴のようになるのが自然の力

これを最大限利用する考え方が大切。

クリアーの溶け込み

クリアーの溶け込み溶け込み加減がやっかいですね。
パーツの中央に盛り上がり、かつパーツ自体が均等に開くようにしなければ。

チェック方法の一つを紹介。
花とクリアーの盛り上がりが中心に有るか の判断をする方法です。

ある程度クリアーが馴染んできた段階でクリアーの真上から花中心をのぞき見る。
偏りが残っていれば花芯は中央に見えません。

玉の向きを傾けたり 炎の当たる場所を換えたりして 花芯が中央に見えるように
もっていきます。 コテを使わずに 炎 だけで処理しますよ。

中心に見えればしめたもの その状態で コテ押さえで開花させます。

コテ押さえのコツ
  花の芯がずれないように押さえましょう。花芯を中心に置くためのコテ押さえに
  6割 残り4割は花ビラの大きい小さいの修正をするつもりが大切。

  どうしても最初は花ビラに目が行ってしまいますが 肝心は花芯である と思って。

クリアーの縁の状態は

深い隙間は気泡が残る原因に。
なるべく隙間をなくしましょう。 焦らずジワジワと加熱すると玉とクリアーが
仲良しになってくっ付いていきます。

こんなコテ押さえも有る

開花で。 花を下向きにしておいて コテは下から上に押し付けて

開花する方式も有ります。 案外うまく出来上がります。

花が平らに開きすぎたら

平っぽくなってしまった花の修正。 
クリアーの上にさらにクリアーを山形に盛付けてみてください。 山状態で炙っていくと 花の中心部分が沈んで
いきます だんだんと形が良くなります。 その後に盛り上がり過ぎの所はコテでジワリと押さえてみましょう。

一度開花した花をもっと大輪にしたい場合もこんな方法を利用してもいいのでは。

コテ押さえ完了

コテ押さえ完了。花も綺麗に開いた。 ところがクリアーの上面(表面)が いびつ で気になるでしょう。

無理していじらないほうが良いでしょう。 そのうちに熱が伝わって気にならなく落ち着きます。

花完了後の周囲の凹み

花完了後の凹みはクリアーを追加盛りして滑らかにします。

そのクリアーですが 熱熱の状態で玉に付けます。 これ大切です。トロトロ寸前位のガラスに。
 
低めの温度のクリアーはいけません。
    白濁の原因になります。  花端部分に残った隙間に入り込んでくれません。よって気泡が残ります。
    玉形状の修正にも手こずります。

当然ながら この作業では 玉側の表面もしっかりと加熱(炙るように) しますよ。

クリアーは二回重ねしても良し。 細かい凹みは細引きのクリアーで埋めれば良しです。

ヘソ作りがヘタな人へ

ヘソが無いのは格好が悪い。  ヘソは工程の最後にでも作れます。 要はヘソになる分のガラスを追加すればOK。

ヘソ部分に細引きガラスで追加してゆきます。
 
 斜めに傾けたりして馴染ませていきますと ヘソらしくなります。

 ある程度ヘソの形状に近づいたらば 平行にして馴染ませます コテも大活躍。

 ヘソ完成です。 細かな凹みや 形状不足は ガラスを追加塗りつけて。

最初からヘソなど気にしない。 但し玉のサイズはヘソの追加ガラス分小さめに。

葉は?

通常は花よりも先に葉を形成します。 
葉を作ったら必ずクリアーを被せましょう。 怠ると 後の花作りなどの加熱炎で葉の形は必ず崩れます。
クリアーの被覆で保護する事です。  この時のクリアーは熱熱です。 低めの温度ではガラスが伸びません。
無理すると葉のガラスもクリアーに引っ張られて崩れます。 
熱熱でしたら スウーッと伸びます。 かえってこちらの法が葉はしっかりしてくれています。 クリアーの厚さも
薄くできます。

枝はクリアーを巻いて細引き

枝の細引き材は外側をクリアーで巻くと良い。

枝材のみで玉に乗せると馴染んでいき 平に伸びてしまい 立体感が低くなる。

クリアー巻きであれば 丸っぽく玉に沈んで行き立体感が出てきます。

極端に言えば 円柱の枝ができるので 中央部分は薄めで両サイド部分は濃い色に
立体的な枝の表現ができます。

細い枝は?

玉側のガラスと同じガラス棒の上に 枝材のガラスを塗り これを細引きすると
細い枝ガラスが出来上がる。 

枝部分を表面になる向きで玉に巻けば細い枝が完成。

とりあえずは ここまで完了といたします。


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