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佐竹ガラスの灯油バーナー「炎の扱いについての色々」 |
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技法の記録もそろそろ種が尽きまして、今回は佐竹ガラスで販売している灯油バーナーの作業を色々解説します。
私が愛用のバーナーですが特に炎の扱いをメインに 初心者さんや 購入する方の一助にと書き込みました。 |
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長時間使うんでしたら このバーナー なかなかの物でございます。
思い返すと 自分、バーナー購入した時に 「ナンジャーおもちゃみたいなショボイ製品だなー」 と思ったもんでしたが。
5万円近い製品を買ったのにですよ 取り扱いの説明はA3サイズの紙一枚でした。 呆れたもんです。
他にメーカー無いんだから 殿様商売ですよね。そんな製品も今では愛情タップリです。 |
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佐竹ガラスのバーナーです。 |
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こんな外観。本体の中心穴からエアーを噴き出して火力安定させてる構造。
要するに 理科の実験のアルコールランプみたいなもんです。
昔からの形状なんでしょうが 改良の余地有りに思える構造で骨董品みたいな。 |
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本体の中心にエアーを吹く部分です。この上から本体を置ように設置となります。
円盤とネジが見えてます。これでノズルの高さを微調整するようです。
いじった事がありません。というか 高さ調整しても何が変わるのよ的な印象です。 |
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自作の点火する器具。ビンの蓋に小さめの穴を開け中には灯油を。
針金の先に布を細い針金で縛りつけて これで点火。
普通のライターではその都度 芯のところにあるカバーを開けなければいけない。
余熱台とかを普通は使いますから 一々そんな作業はやってられません。 |
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消化です。 上から鉄板を被せて 火の出口を塞いで消化完了。
鉄板(薄い物) ・・・ もちろん自作(ゴミのブリキ板状の物を拾ってきただけ)
・・・5万で売りつけておいてねー 点火も消化もやり方は勝手に考えろとのことでした。
新規に購入を考えている人、 消化方法も考えておきましょう。
普通はこういったパーツは付属するものなんですがね? ・・・。 |
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さて グチ を言いてもしょうがない。 肝心の炎の話に移りましょう |
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炎の状態です。エアーの量は既に調節済み。
左は点火後2分ほどの炎です。全く安定していません。
右は点火後10分経過の炎です。ベストな炎です。
基本10分位は炎の安定に必要な時間です。
早く使い始めると ススとか不燃物の混入で
ガラスが汚くなります。
10分の間はパーツを作ってますとか書き込みを見たこと
ありますが お勧めしません。
・・・ひたすら10分間は待つ事です。・・・・・
その待ち時間に道具ミガキや製作手順のおさらいでもしましょう。
炎はろうそくの炎のように安定してきました。
これで どの位置が火力が強いとか 弱めの位置は
こことか つかんでください。
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調整について。
画像は芯の部分を真上から見たところ。
エアーノズルが穴の中心に位置してます。これがずれると綺麗なろうそく形状の炎になりません。ノズル部品とバーナー本体はそれぞれテーブルに置くだけなので必ず点火前には位置関係をチェックしています。
毎回同じ状態の炎で練習すれば上達が早くなるでしょう。
穴は使い込むとススの固形物が成長して 穴の大きさが小さくなってきますので定期的に固形物を取り除く作業が有ります。さらに穴の周りの平面も凸凹してきますからこれも平らに戻します。 私は まん丸の穴にするのには半丸ヤスリでこすってます。
綺麗なとんぼ玉を作るための 重要な作業とお考えください。炎の安定が第一。 |
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エアーノズルの点検。
ノズルの管は動いてしまう構造です。しっかり固定出来ていません。横方向の変な力が働くと傾いてしまいます。
真っすぐ上向きになっているか 点検しておきましょう。
ノズルが斜めのままでは 安定した炎になりません。たとえば 炎の右の部分の方が火力が強いな~ などの現象が出てしまいます。
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では 炎の実際の扱い方の解説です。 |
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全体の炎のうち 上部を使うのが基本です。
火力が強いからといって 下部は使わないこと。 玉が汚くなります。
裸眼で炎を見るのと専用の偏光グラスでみるのとでは 炎の見え方も違います。
初心の人は一度 夕暮れ時に見てみましょう。 炎は思った以上に高さが有りますよ。
ですから 玉作成にはなるべく上部の炎の先端が途切れるような部分でも火力は十分に有るんだといったことを知っておきましょう。
当然 失透といった現象も頭に入れておきましょう。 酸素過多状態の炎で作り続けるとガラスが白濁してしまう現象です。 灯油バーナーの場合は ガス式に比べて火力が弱いためか 失透の確率は低いですが ゼロとはいいきれませんから。
一番使う位置としては 炎のてっぺんから少し下でガラスを柔らかくする作業を心がけています。
炎のてっぺんと言っても 裸眼で見た炎です。偏光グラスでは炎の途切れた所に見えるかもしれない位高めです。
玉が冷めないように保持する位置としては 炎の先端位置から炎の高さ分位上の位置で作業してます。注意としてはエアーの噴き出す延長上に玉が有ることさえ守れれば大分上でも玉は冷めません。但し玉の回転を休まないこと。玉の上面と下面では受ける熱の温度差がだいぶありそうです。 |
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パーツ埋めなどで玉表面の一部分だけ柔らかくしたい場合 |
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炎の先端、炎が一番集中する位置を使います。 炎の途切れる場所で温度的には低めといえますが 局部だけ柔らかくしたい場合は使ってみましょう。
よく有るパターンは 局部だけ柔らかくしたいと考えて 炎の強い所に玉を入れて柔らかくしようと考える。結果は周囲も柔らかくしてしまって 全体の模様を崩してしまった。
テクニック的には 最初は炎の強い所で玉を加熱してもいいのですが、 周囲が柔らかくなってしまう前に その場所から別の炎の位置に移動する そしてなるべく局部加熱できるようにする。
ここで大切な事。バーナーの普段の管理です。毎日同じ状態の炎であってほしいですよね。
炎の状態が大切な訳です。 ばらけたような炎の状態にならないように エアー吹きの位置や穴周りの掃除修正がここで大切なんだと お分かり頂けましたか。 |
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玉の整形したい場合 |
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玉の整形 たとえば最初にガラスを球形にする場合、 こんな時も炎の位置を使い分けたりします。
軸芯に対して均等にガラスを巻ければ 小細工無しに玉完成。 でもそんな場合ばかりではない。
均等に巻けなかった。片側が厚く巻けてしまった。ガラスを均等になるように移動したい。
こんな時 この部分はガラスの温度低めに こちら側は 温度高めに柔らかくしたいですね。
図をごらんください。 炎の天辺や サイドの火力を利用しています。この時の玉の回転方向などでもガラスの受ける熱量や柔らかくなる程度に影響すると考えましょう。 緑の矢印は わたしが多用している回転方向でした。
臨機応変で 炎を最大限利用するにはどうしたらベストなんだろうか? 考えながらの作業です。
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そこで ビーズ の作り方で解説します。 |
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小玉 (ビーズ) を作る解説が良い例かなと。
先ず 玉を作る順番。 図の番号の順番に作っていきます。
持ち手側から順番です。一本の軸に10個とか作るので間隔は狭くなります。
普通に炎の真上で作ったとします。 狭い間隔ですと 3番目を作っているうちに 2番が変形しちゃう。この理屈は解りますよね。 炎に近すぎて 2番も3番も柔らかくなっちゃうんですよね。
ならばどうするか そうですサイドの炎を利用するんです。しかも3番は玉の正面に炎を
当てるんじゃなくて 図で言えば 右斜め側ぐらいに炎がくる位置で柔らかくして完成まで。
そうそう 最初のガラスの巻きつけは 炎の天辺でかまわないんですよ。 整形段階に
入ったらば サイドの炎を利用しましょうね と言うことでした。
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花パーツ部分の加熱でも |
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花パーツを埋めてから クリアーを乗せて 開花のための加熱をする場合も
サイドの炎を使います。 そうした利用のし方で 花パーツ部分を局所的に加熱できるのです。
これを炎の頂点部分で行うと 地玉の他の模様部分まで柔らかくなってしまって
結果 全体の模様が崩れていってしまうわけです。 |
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玉を早く加熱したい |
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玉の整形初期段階で 全体のガラスの温度を早く上げたい場合です。
通常ですと 常に玉を回転させて加熱作業をしています。 早くだから炎の火力の高い
火元に近づけようとしてしまいます。 そこでちょっと待ったです。 ガラスにススが混入する危険が有りますよ。
ならば と私目考えました 回転停めて、 図の番号のように 順番に加熱してみようと。
早くガラスが柔らかくなるんです。
一か所ずっと止めているんじゃないですよ。基本は回転です。 数秒単位で回転停めて集中加熱、 次の場所に移動、 時々回転の繰り返し動作です。
どうも連続回転で加熱していると熱い炎が瞬間に当たるだけなので受け取る熱の効率は低くなるようです。
連続回転は 少々時間はかかるけど 均等なガラス温度にできると言うことですね |
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パーツ作りでの炎の使い方も |
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小さなパーツを作る工程の一部分を解説。 パーツの先端を尖らせる。
持ち手のポンテはガラスの細引きを使います。先端にパーツをつける。
パーツの先端を溶かして ガラス棒をチョン付けしながら 引き切ると
先端部分は尖り形状に出来る。
この場合の炎の位置は? |
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炎の使い方は図のようにします。
サイドの炎で加熱 上から見ると少し角度をつけます。
この角度の程度でパーツの先端かどの位までを柔らかくするかの
調節をします。
この作業を炎の頂点でしようとすると 最初にガラスポンテが
柔らかくなってしまう訳です。 |
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その他 |
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以上とりとめのない内容かと思いますが 炎だけでも色々な使い方工夫があるんだと理解していただけたと思います。
灯油バーナーは火力は弱めです。 でもその代わりに軟らかな炎ですから、出来上がったとんぼ玉は表面の艶が美しい仕上がりになります。 ガスのバーナーのように早く仕上げられないからと 炎の火力の強い箇所で 強引に作業しないように、焦らないでじっくりと製作しましょう。強引な作りはベテランになってから。
上手に炎を扱えるように、作業中はこの炎の場所が最善だろうかと思って練習すると上達は早くなると思います。 |
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最後にエアー配管の途中にエアーだまりを付けましょう |
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エアーポンプとバーナーの中間に空気だまりをつけると
炎の状態が安定します。
エアーポンプはダイアフラムのゴム膜の振動で送風をしています。
空気の状態は脈動状態です。つまり 送風・停止・送風・停止の繰り返し。
この動きが一分間で50回から60回の繰り返しとなります。
このままですとバーナーの炎は ボッ・ボッ・ボッ・・・こんな炎になる訳です。
見た目では感じないでしょうが 理屈は理解できますよね。
炎はなるべく安定させたいですね。つまり完全燃焼の炎が欲しいのです。
そこでエアーの途中に空気だまりを設けます。
すると エアーは スー・・・ とした流れになってくれます。
これで完全燃焼の炎になる訳です。
具体的にどんな空気だまりなの? そこの所は各人考えてくださいませ。
推薦できる既製品が見つからないもので 悪しからずです。
経験上 綺麗なとんぼ玉が出来上がらなかったのが この装置を追加した途端に 艶のあるとんぼ玉が出来上がるようになりました。 |
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