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とんぼ玉技法の部屋

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ガラス棒の混色

その都度、気まぐれに ガラスの混色結果を 随時 紹介していきます。
有名作家さんの とんぼ玉には、市販のガラス棒 では出せない色使いのものが多々ありますね。
・・・・混色・・・奥が深いです。 

1.ソーダガラスの白と黒

佐竹ガラスの 黒色A30 ・・ 白色A29 を混色してみました。

混色に使用したガラス
今回使用の細引きガラスです。
白地に黒線を引いて細引きしています。
直径は2~3mm

変色結果
左に見える黒っぽい点打ちです。
実際の色は光の当たる所で見ると、 シルバー色に輝きます。鮮やかです。
光の当たらない所では 銀化ぎみの黒と白が混じり合った黒点のように見えます。

制作解説・・・細引き先端を炎で十分溶かします。 これを点打ちします。
        点は盛り上げるように打ちしました。
        炎は酸化炎。エアーを多くします。これで黒色は銀化変色します。

中央のランダムに書いた線です。
太陽光下では、ちょうど写真のように虹色に光ます。
黒一色の銀化された細線よりも複雑な色になっています。

制作解説・・・細引きをさらに細く引きました。0.3mmとか0.5mmのレベル。
        その細引きでランダム模様をつけました。

渦巻き模様と放射模様です。

細引きを  放射は短めにカット 渦巻きは長めにカットして立てて玉につけ炎で馴染ませて中心を針で突いてコテで平らにした模様です。

色あいは・・ねずみ色になりました。くすんだ銀色のようでもあります。

単純に酸化炎で作った玉になってしまっています。
制作途中では変わった銀色で面白い色になりそうな予感があったのですが大した変化にはなりませんでした。
混色してみての感想

今回の混色は、 要するに黒色の銀化による変色を狙ってみました。
黒単色の場合よりも 色の変化は複雑になるように感じました。 白色が加わったためでしょうか。
黒と白を混ぜ混ぜしないで 銀化したほうが良さそうです。
(銀化とは・・・バーナーの炎をエアーを多めにして酸化炎で黒色を溶かすと変色する)
炎に当てる時間も色の変化に影響しています。

点打ち模様は ワンポイントの変化を付ける時に使えそうです。

経年変化はどうなのか。 悪い方に変色していくのか。 わかりません。


2.鉛ガラスの青と青紫の混色

佐竹ガラス。  鉛ガラスの混色です。

G6・・・青紫 (写真右のガラス)
G7・・・青   (写真左のガラス)

混合比率は
         G6:G7=1:4

混色してみての感想

深みのある濃い青色になりました。
G7青の単色は、単純に青のガラス(青らしい青)だけの雰囲気しか出せません。
混色したものを玉にしてみるとG7よりも格段に良い玉になりました。


3.混色のガラス棒の長さを計算

写真を参照したいただくとわかりますが、 1:4 の比率でガラスをカットしたいが それぞれのガラスの太さが違う。
どの位の長さにカットするか。 そんな場合には、こんな計算式を利用してみてはどうでしょうか。

まずは計算に使う記号

Bの多量側のガラスを決めておきAの少量側のガラスの長さを求める場合

Aの少量側のガラスを決めておきBの多量側のガラスの長さを求める場合

参考に計算例を紹介しておきます

Bの多量側のガラスを決めておきAの少量側のガラスの長さを求めてみます。

Aのガラス・・・ 直径6.3mm
Bのガラス・・・ 直径9.5mm  カット長さは65mmに決めます
混合する比率を A:B=1:3
この時のAのガラスの長さを計算します。 
 

Aのガラスは49mmでカットすれば良い。


4.緑と青の混色

佐竹ガラスのG8薄い青とG11濃い緑を混色してみました。

左がG11濃い緑  右がG8薄い青

G11単色はくすんだような緑で明るさに欠けます。
もう少しスッキリした鮮やかな緑が欲しくて試してみました。

混色の比率はG11、G8各々1対1(50%比)にしたのが下側の物
破片ですが先端の色が濃い緑でかつスッキリした緑になりました。

下玉に使ってみましたが、ガラス層が厚いとスッキリ緑が出ませんでした。
鉛白の上に混色した緑が良いかもしれません。(未テストです)


佐竹色見本の中の緑よりもハッキリした緑が出せそうなので紹介した所です。
青の比率をもうひとひねりしてはどうでしょうか。
手元に薄めの緑が品切れの時に利用出来ると思います。

5.紫色の混色

佐竹の市販ガラスには良い紫色はありませんね。G5の紫は色が薄すぎて玉にするとイマイチです。
そこで混色で試作してみました。

右上の玉が紫色のとんぼ玉です。お気に入りの紫玉になりました。

写真左下のガラス・・・G6の青紫 
写真右下のガラス・・・G21の赤
中間の細引きガラス・・・混色した紫
   混色の比率は G6対G21 を 1対4の比率で混色したものです。

混色細引きガラスで下玉をして作ったのが上の左右のとんぼ玉です。

完成とんぼ玉の説明
左のとんぼ玉・・・・・混色の細引きを芯棒に巻き下玉にしました。葉と花を入れてクリアー巻きして完成。
             玉の色は黒のごとき紫色になりました。光に透かしても紫色は目立ってくれません。
             黒っぽいので花模様が引き立ち、これはこれで良いと感じですが 紫とは言えません。
右のとんぼ玉・・・・・白ガラスを下巻きしておき、上に混色ガラスを重ねた下玉にして作成しました。
             欲しかった色で はっきりした紫色のとんぼ玉になりました。

下巻きの白色を 乳白色にすると どうなりますか。 製作してみてください。奥行の有るとんぼ玉になるのでしょうか。

6.赤と黄色の混色

佐竹ガラスの鉛ガラスの混色です。

左上は黄色G12--ガラス棒 (ミドリ色に見えるが黄色です)
左下は赤色G21--ガラス棒

右が混色した結果です。

混色の比率は1対1。

アルマンディン・ガーネットのような色になりました。
表面にカット面をつけて光線を屈折できれば美しいのにと思わせる
色になります。混色はガッチリ混色しないで、薄らと色違いのラインが
見えると面白いと思いますよ。


7、透明系ガラスと白ガラスの混色(鉛ガラス)

透明系統の鉛ガラスで不透明ガラスのように作りたい場合の参考にやってみました。

佐竹鉛ガラスの黄色G12と紫G5

佐竹ガラスの鉛ガラスです。

上のガラス・・・G12黄色
最下のガラス・・・G5紫

G12黄色に乳白色G24を 10対1で混色・・・結果は中央左上の円盤
     あまり色の変化は出せませんでした。
      
G12黄色に白色G23を 10対1で混色・・・不透明の黄色になります。
     色は鮮やかさが消失している黄緑系統の不透明ガラスにできます

G5紫に白色G23を 10対1で混色・・・不透明の黄色になります。
     薄い色具合の紫の不透明ガラスになります。

市販にないガラスの色で玉を作りたいなど利用できると思います。出来上がりの色味がぼんやり系統なので
アクセントで入れ込むガラスよりは、地玉にするほうが良さそうです。
また手元に不透明ガラスの無い場合に試してみてはどうでしょうか。
白の混色は少ないガラス量から始めて色を見ながら追加する方法が良いと思います。


8.ソーダガラス乳白色の混色

佐竹ガラスのソーダガラスで乳白色を作ってみました。
標準品で乳白色のソーダは無いようなので、試作してみたものです。

白ソーダガラスA29とクリアーガラスG36使用

左:白を1、クリアーを9の比率

中央:白を1、クリアーを15の比率

右:参考に鉛ガラスの乳白色G24

結論は、大幅な比率で混色が必要ということでした。

左はほとんど白色でした。
中央は、左と右の中間程度の乳白。乳白らしい白色が出てきたな、その程度でした。
右の鉛ガラスの乳白色の色相にするには、1対30位の大幅な比率にしないと乳白色は出来ないぞ、
そんな感触でした。

最終的には 白対クリアーを 1対30 にすると鉛ガラスの乳白色と同等のガラスになりました。

クラゲパーツのような半透明白を作成する場合には乳白色ソーダガラスを使用しますから
チャレンジしてみてください。


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