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とんぼ玉技法の部屋

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ヘソの作り方について


玉作りを始めた方とよくお話をするのですが 
話の中に登場するのが  「玉のヘソが上手くできなくてねー ・・・ 」 云々かんぬん」

思い返してみたらば 私の場合は ヘソの出来で悩んだ事はほとんど記憶に無い。
ヘソなんか 凹んでいればいいのさ 程度の意識でしかなかったようです。

みなさん結構 ヘソ作りに関心あるんだなーとゆうことで ヘソ作りをまとめてみました。

ヘソは穴の出口がこんなふうに滑らかな窪み方が良しとされているわけで

この形状を作るのが難しい点なわけで  
作る途中や整形時に変形してしまうようです。

変形してしまうのは ガラスの温度が高すぎだからよ。
整形へたは 貴方の技量が無いからよ。   ・・・・・それで終わりのようだ。

でもね 理屈が分っているのといないのじゃ  上手くならないよな??
(実際に頂くメールがこんな感じで 不親切な教室がけっこう有るみたい)


そこで理屈っぽい事を書き込み開始です。

基本はこんな感じで

最初のガラスの巻き付けはなるべく幅を狭くして鉄芯に巻き付けする。

玉の形状にするために再度ガラスを加熱すると自然と幅が広がる。
この時点で鉄芯とガラスの接触部分がヘソらしくなっていればベスト。

ガラスが柔らかくなったところでコテでガラスを外側に伸ばして
玉のサイズに落ち着かせてヘソを作る。

おおよそこの三段階で整形していきヘソが形成できる。

ヘソが出来たらこの形を崩さない事。つまり加熱しすぎない事。
ヘソの近くは模様付けなどはしないでしょう。てことはこの近くは
ガラスを柔らかくする必要が無いってこと。 (そんな気持ちで作業)

コテで広げる時は球形は意識しない。エンピツの断面が
六角形ですね こんな感じの面になるようなおおざっぱな
多角形風の押さえで充分。ヘソの凹みはしっかりと作る。

いずれ コテの上でコロコロ回転する作業が出るから
その時に球形を意識すればよし。

又小さな凹凸はバーナー加熱すれば曲面に落ち着く。


ここでの重要は 「最初のガラスは幅を狭く巻き付ける」
その後ガラスを広げてヘソにする。

次にヘソが変形してしまう方へ

なぜ変形してしまうのか?  原因は何点か有るでしょう。

1. ヘソのガラス温度が基本高過ぎるから
2. 地球の重力を無視した作業をしているから。
3. ヘソの加熱の仕方が悪い。
4. その他 (個人的なクセが有る) 作業中に小まめに外形修正していますか?

一番目の温度は・・・・  基本初心者はガラスの温度が高すぎです。見た目ではバーナーで加熱中でもガラスの表面に
               変化が見えないので、ガラスはまだ硬いと思ってしまうようです。
         対策は・・・・  一度テストすれば納得。 
                      暗い部屋でガラスの色を観察(電気を消す)とこんなに熱い色だったんだ。
                      その2  加熱中のガラスをコテで突いたり針で突いたりして柔らかさを実感する
                              (もうちょっと加熱を加えると急激に柔らかくなる事を知る) 

二番目の重力は・・・・  加熱したガラスは水あめみたいに だれていく。 つまり下に下にと動く
               ただし そのスピードが大変ゆっくりなので 気が付くと変形している。
               ヘソのガラスも水滴が表面張力で球形になるように、玉全体が変化して
               大きな球体になりたがる結果、ヘソが消滅してしまう。

三番目の加熱は・・・・  玉の中心部分を加熱するのと同じ動作でヘソを加熱している。
               ヘソはガラスの端っこ部分  柔らかくなると表面張力の不均衡でドンドン変形する。

四番目は・・・・   これは個人のクセなんで解らない。自分で見つけよう。自分の作業を客観的に観察する目が大切。

例えばなんですが   端のガラスを加熱中の図。

下に垂れる方向ですね。 これならヘソは変形してしまわないでしょう。

こんな細かな作業上の注意だけで とんぼ玉を上手に作れるかの分かれ道。
ちょっとした工夫ですね。

曲面にとんぼ玉を整形、コテの上をコロコロ。 こんな時にもこの加熱。

ちなみにですが
  動画などあるいは教室で 巻き付けたガラスを加熱後に直ぐにコテでコロコロ、ヘソまで完成させる。
  このテクニックは相当な上級編ですから。 初心者でこの動作でヘソが出来ないなんぞは 百年早いってもんです。

  大きな凸凹はコテで押し付ける、小さな凹凸はバーナーで温めながらクルクルすれば球に落ち着く。
  ヘソを作りたかったらコテでガラスをグイグイ広げる。  これで初心者は十分。


ヘソが完成しても  何の工夫もしないでガラスを加熱していけば
いつのまにかヘソは消えてしまいます。


これは ガラスは水と同じで 柔らかくなると表面張力が働いて
一番落ち着く形状が球形だからです。



花玉の場合は少し違う

開花するパーツでとんぼ玉を完成させるときのヘソの作り方です。
この場合は段々と玉サイズが大きくなります。   だから最初の段階はヘソっぽい状態だけでよし。
最後のクリアーガラスでヘソを完成させるつもりで。

最初は直径の小さな下玉を作ります。
この時点でヘソを作るようにガラスを広げていきます。
ガラスの幅は完成玉サイズよりも小さく(狭く)します。

ここに花パーツを開かせます。

最後に窪み部分にクリアーガラスを付け足していきます。
端のクリアーはヘソを作るように付け足ししましょう。

クリアーガラスのつけ方を大袈裟に解説した図になります。

クリアーは鉄芯に接触しないように注意してください。
離型剤にガラスが接触してしまった時点でアウトになってしまいます。注意。

これが上手くいかない人はクリアーガラスの細引きを用意しておいて
ヘソにする部分にクリアーガラスを点付けするように盛っていくとヘソ形状
に出来ます。  ヘソ作りを失敗した場合にはこの方法が有効です。


円柱形から とんぼ玉の楕円形に仕上げる場合もある。

玉の模様が変形しても問題ない場合には円柱形状が楽な作り方です。

円柱形状ならば ヘソも作りやすい。 コテでコロコロやるだけでヘソが出来る。

そこで 少し位模様が崩れても支障なければ いっそのこと円柱形の時に
模様作りを完了して 最後に端をコロコロやって玉を完成すれば楽だ。


こんな作り方も有るので紹介しておきました。

要はあなたの工夫次第。

点打ち模様の玉

下玉は最初から 完成玉の形状にしておいて 点打ちに入ります。  当然ヘソまで完成です。

点打ちを重ねて模様を作るので 何度も加熱する作業になります。
下手な加熱を繰り返すと いつのまにかヘソ形状が崩れる。 注意です。

ヘソが崩れない加熱の仕方が必要です。  又点打ちばかりに神経を使い他を疎かにしないことですね。

点を打ち馴染ませるたびに 外形をチェックして歪みを修正しましょう。 コテ上でコロコロです。
小まめに行う事でヘソの変形も防げます。


細かな作業を書いてみました

ヘソ無しの所にヘソを作り込む

ヘソなんぞ 後から作れる。  ヘソ用のガラスを追加すればいいのだ。

でも注意、 ヘソのガラスが追加で 玉の幅が予想以上に大きくなるよ。

ヘソが凸凹してしまって綺麗にならない

ヘソのぐるりが 有る部分は窪みぎみ ある部分は凸で平らにするのが苦手。

ヘソの面が不揃いで  修正方法が?  どうしよう。

基本はバーナーで加熱してれば落ち着くよ。    です。

但し加熱中の鉄芯は傾けてです。鉄芯の近くのヘソの窪みにも炎が入る位に。
傾けろと言っても 四六時中ではないですよ。

傾け状態でヘソが変化したなと見えたじてんで手遅れ、加熱しすぎですよ。
変形直前に鉄芯は水平にして様子見するような感覚で作業です。

バーナー加熱はこんなふうに傾けるのが基本。

柔らかくなったガラスは下向きに落ち着く。
図の状態でクルクルすればヘソの形状を保ちながらも加熱できる。

ヘソの内面(芯棒の窪みまで熱が入るので均等に加熱できる。


もしも水平のままヘソを加熱しようとしたならば?

玉が受ける熱の状態を考えてみると
  バーナーの熱は玉を加熱→その熱は拡散→どこに集中するか?→
  ヘソの部分まで伝わった熱は行き場がなくなる→結果ヘソに熱が集結→
  最初にヘソが変形しだす。→このままではヘソが無くなる。


ヘソの加熱でヘソのガラスはどう動くか?  イメージ図です。

ガラスは水と同じ、表面張力がとても強い だから表面のガラスは引っ張り合う

その結果図のように 凸部分は引っ張られて埋没していく。

埋没しては困る。 ではどうするか? 

ヘソを下向きにしよう。  そうすると 今度は重力が働いてガラスは
下に動こうとする。   結果ヘソの形状が残せる。

でも基本はコテでコロコロですからね。

ヘソの面が細かめの凹凸ならば 炎で炙っていると滑らかな面に落ち着く。

ところが大き目の窪みなどは 炎だけでは修正しきれない。
その場合はコテで押して直そう。

窪みが大きければガラスを追加で点打ちすればいいじゃないか。

ヘソの部分であってもガラスの厚みは均等にすることです。

厚みが違う場合には コテでグイグイ押して修正してやるしか方法無し。

炎だけでは修正しきれません。

ですから 最初にヘソを作る動作の時点でガラスの厚さには配慮してください。

全体通して言える事
  初心者はガラスを加熱し過ぎなんです。
  初心者はどのくらいの炎の時にどのくらいガラスが柔らかいか解っていない。 色々テストしてみよう。
  初心者は柔らかいガラスがどう動くのかわかっていない。   なぜ失敗したか考えてみよう。
  初心者はガラスの表面張力 地球がガラスを引っ張る重力を知ろう。  その自然の力を利用してやろう。

普通に玉を加熱中とします。  ガラスの熱はどこに集中するか?

伝播した熱は行き場が無くなるところ。  そうですヘソの端っこ。

そう考えると いままであなたが 「ヘソが失敗する」 
その言葉も理解できませんかね?


さらに言わしていただくと ガスバーナーの種類、 集中炎と拡散炎の差
もうおわかりでしょう。拡散炎は全体を加熱してしまう。 とゆうことは
オヘソさんも直ぐ加熱されてしまう。  ヘソはガラスの量が少ないから
柔らかくなるのも早い。
   
                              
                                       ・・・・ 以上でございます・・・・
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