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とんぼ玉技法の部屋

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超初心者向け解説の色々です

初心者さん向けの注意点などを色々書いています。
行ったり来たりの内容の書き込みです。ご容赦です。


肝心要です。

   1.バーナーの炎の状態が大切、エアーの量と炎の状態。炎も上部、下部、サイドと使い分けします。
        (それぞれの場所で温度や性状が違うんだと考えましょう)
   2.水平持ちで作業が基本。(ガラスは水あめみたいに重力のかかる方に移動しますよ)
   3.思いついたたら試してみよう。探求心で腕前アップ。
   4.使うガラスと道具は綺麗にする。とんぼ玉は小さいのでちょっとした汚れで台無しです。


離型剤の濃さ

離型剤の濃度、濃すぎず緩すぎずなんですが、解りませんですよね。
私も良く解りません。やってみる事です。鉄の心棒に離型剤を浸けて状態を判断する見る事ですね。
濃いめですと、ボテーっと心棒に絡み付きます。
緩めですとサラッとして薄く付着します。

注意点
   濃すぎで玉を製作すると、製作中に離型剤が割れて失敗することが有ります。
   緩すぎですと離型剤の膜が薄いので、玉完成後に心棒から玉が外れない場合があります。



離型剤の攪拌

離型液は使わないと剤と水と分離します。
使う前にはこれを攪拌します。

この時の注意は気泡を入れない事。

気泡が離型液に入り込むとなかなか抜けません。
この状態で心棒に離型を付着させる時に気泡が心棒にまとわり付き
空焼きするとプクッと膨れてしまい使い物になりません。

心棒に離型剤を付ける

離型剤液に心棒を浸けるだけなんですが
均一な厚さに仕上げるのは難しいです。
浸けて引き抜くとどうしても棒の先端が滴形状に膨らみます。
重力かかるから自然なんですがこれがけっこう厄介。

先端を再度チョコッと水面に付けると滴が小さく出来ます。
その後心棒は回転させたり上下を逆にしたりさせて均一化させます。

離型液を乾燥

心棒に離型液を浸けて後の乾燥です。

直ぐに玉製作に使わない場合は
炎の上部の熱気で乾燥させます。焼いてはいけませんよ。白っぽく乾けば良しです。

焼いてしまうと冷めた時点で鉄棒と離型部が剥がれます。

浸けて直ぐに玉の製作にかかる場合は濡れたままから火の中に入れて赤めてもかまいません。但し一度焼いた場合は温度を下げないことです。高温に保持ですよ。冷ましてしまうと離型剤は割れます。
バーナーの炎の使い分け

   バーナーの炎の使い分けです。

     炎の上側三分の一位の範囲で通常の作業をします。
     下側はガラスに煤(スス)が入りやすく注意しましょう。

   下部分を使う例としては
     サタケガラスの黒ガラスは炎先端作業で黒銀色に変色しやすいです
     変色した場合には下部分の炎で炙るとツヤ有りの黒に戻ります。
     又長時間玉を加熱した場合にガラスのツヤを戻すのに使ったりします。

炎の頂点やもっと上、又は側面部と炎位置は使い分けしましょう。


バーナーの酸化炎、還元炎

酸化炎と還元炎と呼称があります。
要するに、空気が多い炎と少ない炎のことです。
空気の量はけっこう重要、ガラス面に艶が出たり、逆に濁った玉になってしまったり。
酸化炎と還元炎の中間が通常の作業で使いますが、こればかりは個々のバーナーで変わりますので色々やってみる事です。
要は酸素多すぎの炎で長い時間ガラスを加熱し続けると、失透と言われるガラス表面が悪化していきます。
酸素少な目の炎にガラスを入れるとその失透が回復する。そんな使い分けがあります。
炎はススが発生しやすいのだと考えておきましょう。

玉をかざす高さや場所は重要です。経験を重ねるしかないのですが一応解説してみます。
作品の製作とは別に、失敗玉のつもりで色々な場所で試しをすると理解が早いですね。

炎の少し上での作業は
    玉の冷え防止や広めの部分の加熱など。
炎の横での作業は
    部分的な箇所の加熱、例えば点打ちした所だけの加熱など。

玉を炎の中に入れる作業は
    玉の全体を加熱したい時にします。例えば完成した玉の最後の温め時。
    基本の玉の形が決まるまでは炎に入れますが次の細工などの作業になると
    炎の表面を使ってが大半です。

初心者の方は、ガラス作業は炎の中でやるものとの先入観が有るようです。
その結果、ガラスが高熱すぎて形が崩れてしまう失敗です。

加熱しすぎは失敗の元とお考えください。

横部分を使いこなせれば腕が上がりますよ。


玉の加熱保持について

製作中の玉の保持温度は一番重要です。
初心者は、加熱しすぎに気づきません。
トロトロ寸前。これではダメ。

熱すぎは作成した模様が崩れていきます。
水あめみたいなので当然ですが、製作者は気づかない。

かといって冷めすぎもダメ。
割れたり、思うように形が作れない。

玉の中心も表面も同じ温度に保って作業するのが基本です。
表面を少し炎に入れれば表面が柔らかく出来るような温度保持です。

ダメな例。
    玉を炎の中に入れて急激な加熱をしてしまう。
そのまま加熱を続け中心が目的温度になったころは表面は熱すぎにしてしまった。

ではどうする。
    炎に入れるのは短時間、そのあとは表面の熱さが中心部に浸透する時間を作って炎の上で保持。あるいはじっくりと加熱するようにして炎の上部の低めの温度域で保持する。これを繰り返す。

当然加熱中はクルクル回転させる事。

均一温度を保ち、点打ちや引っかきなどの作業部分だけさらに加熱するようにします。

地玉の加熱

基本の玉にしてからの加熱方法について
パーツを玉に付ける時や点打ちをする場合など。

バーナーの種類は拡散炎タイプと
集中炎タイプの違いがあります。

左図は拡散炎。
バーナーの口径範囲が均等に炎になります。

玉を上にかざすと、玉全体が炎の中に入りますから全体が加熱されていきます。

こちらは集中炎。炎は中心に集まる構造です。

玉を中心にかざすと
かざした部分が主に加熱されます。

周囲も加熱されてしまいますが
炎温度は中心よりも低くなっています。

さて、パーツを玉に付ける作業では

玉の加熱部分はパーツの接着する部分だけにしたい。

範囲が広くなると
前に付けたパーツまで熱くなって
その部分が変形してしまう。

さーここで集中炎だとしたらば
中心の一番熱い所に玉を持っていけば良いことになります。
ただし、炎にかざす時間はなるべく短時間。
のんびりしてると、隣のパーツに悪影響が出てしまいます。

では拡散炎では。
困りました、中心に玉を持っていくと
玉の表面全体に炎が均等に当たり加熱していきます。
これでは隣のパーツは溶けます。

炎は場所場所で使い分けですよ。

図のように炎の端で部分的に炎に当てる
次にクルっと回転させて炎の向こう側、
炎に当たりにくかった部分を加熱する。

炎の端を使うにしても
上(先端)に近い所が良いか
真ん中位の高さ位置が良いか
思考してください。
場所場所で炎の温度には差がでることを
頭に入れての加熱です。

ガラス棒(素材)の溶かし方

ガラス棒の先端から溶かす。
最初は先端の切断面は汚れが出るので
ピンセットでつまんで捨てます。(練習玉はそのままで良し)

この汚れはお掃除する汚れと違います。
製造段階の科学変化や溶かしはじめの質が変化
あるいは気泡的なもの、そんな原因が重なっているんでしょう。
とんぼ玉の完成後汚い所が出来ないようにと思ってください。

さて、ガラス棒は図のように斜めにしてやると
バーナーの熱がガラスに沿って昇ります。
この現象を利用しましょう。

冷めたガラスと溶けガラスを合わせると
喧嘩します。ですから次に溶けていく部分はあらかじめ温めたいのです。

順番に溶かしていきながら必要なガラスの塊にまとめると良いです。


玉(ガラス)の加熱具合がわからない?

最初ですからガラス玉がどのくらいの加熱状態なのか解らないのは当たり前。
なので初心者はどうしても熱くしすぎてしまいがち。(冷めるのが怖いと思いがちです)

ではどうするか?  試してみましょう。 そして冷却の時間感覚を知りましょう。

夕暮れの薄暗い時間に玉を加熱してみましょう。
炎から外して薄暗い状態で玉の冷め具合を見てください。赤みのガラスはなかなか冷めません。
この時に数を数えてみましょう。この位加熱すれば冷めるのにはこの位の時間がかかるんだと解ります。

ガラスの硬さ具合を知る。
 玉を加熱しておいて炎から出します。
表面を引っかき棒で突っついてみましょう。ガラスが冷えてくると突っついても凹まなくなってきます。
思ったよりも長く柔らかさが有るのが実感できます。玉の硬さ具合を知っておく。これ大切です。

灰に入れるタイミング

とんぼ玉を作成しての最終段階、灰に入れるタイミングは重要です。

熱過ぎではガラス表面の艶が消失します。
冷めすぎではガラスは割れます。
ゆっくりと冷却させるのですが、温度を間違えると、数日後や数か月後に突然割れる時も有ります。


手順はこんなふうに。

1.完成したとんぼ玉を十分に加熱します。
     (製作中は少し温度低めでした。中心部分と表面部分は温度差があります。これを均一な温度にします。)
2.ガラスの表面の凹凸が無くなり艶が見えるようになります。
3.均一な温度になったら炎から外します。
     (この時の温度としては、過熱ぎみの状態です。)
4.炎から出して、空中で自然冷却して表面温度を少し下げます。
     (ガラスの温度が高すぎで灰に入れると表面のツヤが消えます。)
     (灰に入れる時はガラス表面は硬くなっていること。)
     (私の場合ですと空気中で15位数えて灰に入れます。)
5.灰の中に入れます。そっと入れてください。

暗闇で過熱玉の冷め具合を見ておくと
灰に入れるタイミングが理解できますよ。

心棒について

ガラスを巻き取る心棒についてです。

以前こんな問い合わせ。
心棒に離型剤が着かない。離型剤をはじいてしまうとのことでした。

これは心棒に油分が有ると離型剤はつきません。手油や髪の毛の油など。
そんな時は心棒を空焼きすると解決です。

離型剤付けたら自然乾燥させましょうとの書き込み見受けますが
私は離型剤付けたらその即炎の熱気で乾燥してます。

材質は最近ですとステンレス棒ばかりですね。
私は普通の錆びる鉄棒がよろしいと思っています。ステンレス棒は離型剤の付きが弱いのです。
ステンレスの表面がツルツルのせいでしょうね、グイグイとコテでいじると最悪離型剤が剝がれます。
結果、ステンレスには市販の高価な離型剤購入が必要となりがちです。

私は新品のステンレス心棒は先ず離型剤塗布部分に荒い紙ヤスリがけしてザラザラにし、炎で赤めて空焼きを十分してから使うようにしています。
ガラスは柔らかくなると水やハチミツみたいな動きをします。

初心時はどうしてもガラスを加熱しすぎます。
ガラスは柔らかくなると水みたいな表面張力作用や混ざりあいなど、ハチミツみたいなダラーンと垂れたがる挙動等が顕著になります。
これが苦戦の元凶。玉は中心も表面も同じ温度を心がけて、熱すぎ厳禁、やんわりと炎で温める気分で行います。
一度中心部分まで熱くしておけば以降の作業は表面が冷めないように温度保持するだけで十分と考えましょう。

とにかく、柔らかいガラスはどんどん動きますから。

玉の表面に盛り上がりのガラスを追加したとしましょう
じんわり加熱すると表面張力作用でこんな感じに落着きます。

盛り上がりを熱くしすぎると玉の表面を流れるような広がりになってしまいます。

たとえば水滴が二つ接近したあります。
状態で水滴の端っこが接触すると一つの水滴にくっついてしまいます。

同じような事がガラスでも起きます。
盛り上がったガラス同志はだんだんとくっついて仲良しになっていきます。
模様を入れたのに形が崩れたってのはこんな原因も有りますからね。


こんな動きをするもんだと頭に入れて作業すると良いと思います。

素材のガラス棒の端を柔らかくする場合では
図のように表面張力作用で動いて半球形状に落着きます。

出っ張りは平らに落着き、代わりにまっ平部は膨らみます。

こんな例で解説してみました。 でも急激な加熱はハチミツ状態になってしまいダレてしまいますからね。
ガラスの温度は大切な要素です。

熱の有る状態でガラス棒を食切りでカットする面について

基本食切りでカットした面をそのまま使うと汚れのようになりやすいですよ。

自分でそう思っているんですが。

細引きなどしてカットする場合はガラスは熱を持ったままです。
対して食切り(タイルカッター)は鉄ですから冷えてます。
接触した時点でガラスは急激に冷やされるので、切断面は微細なひび割れが発生します。
また常温のガラス棒カットでもギザギザに切断されます。

この状態のまま先端を溶かしこむとヒビ部分に残留した微細な空気がガラスに閉じ込められて
結果、玉の表面が雲のような汚れに見えてしまいます。

細引きしたガラスを使い込むと短くなり、勿体ないから同色を溶かし合って一本に長くして使いますね。
この時も食切り切断面のまま接合すると接合部分は汚れに見えしまう現象が出ます。

対策はどうするかなんですが?

食切りのカット部分はもう一度先端を溶かして先端部分をピンセットで摘み取りましょう。
汚れに見える部分を除去すれば良しです。半球形状になった先端を少し摘み取るだけでも随分と違います。
このひと手間で綺麗なとんぼ玉に変身です。

作業中は地球の引力を忘れないで

心棒は最初は水平、でも段々と傾いてしまっていて
気づいたときは玉が重力作用で変形しまって
でも本人は玉の崩れの原因が解らず。

これって初心者は必ずやらかします。

図のように心棒が傾いていれば、ガラスは左に寄っていきますよね。
理屈は解っていてもやってしまいます。


その原因はこんな事なんです。


作業姿勢を見てみましょう。

ヒジをまげて、手首もまげて、心棒を水平にして、とんぼ玉は常にクルクルと回転。
これってずいぶんとムリした姿勢。

疲れてくれば水平の心棒は自然と傾きますよね。
そのうち玉一つ作るのに一時間とかかかるように。

せめてテーブルにヒジは置きたいですね。
何かヒジ置きの台考えましょうよ。

習い事は基本が大事。習字など見れば基本姿勢って重要、その考えで。

次にコテを使って玉を成形する場合です。
コテ上をコロコロ回転させて玉の形を左右対称にしますよね。

これも上図のようにコテ側の腕が無理する姿勢なので
気づかぬ内にこてがなんとなく水平支持しなくなっていた。
なので形状がいびつになる。

解っていてもなかなか修正できない。注意、注意です。

玉に成形

最初の基本になる玉(地玉)の作りについて。

動画でよくある作り方で、心棒に付けたガラスをクルクル回転させてバーナーの火力だけで真円の玉にしている。これってテクニック必要で初心者にはちょっと無理。

初心時は膨らんだ部分はコテなりヘラでグイグイ修正しちゃいましょう。

最初に巻きつけるガラス幅は狭い状態に作ります。

巻きつけガラスは中心から均等になってくれないならば
出っ張り側をグイグイ押し込んで修正しましょう。
バーナーの炎だけで修正なんか初心者には無理です。

コテなりヘラで周囲万遍無く押さえていくと形がとんぼ玉形状に近づきますから。
この時少々の凹凸は気にしない。凹凸は炎にかざせば解消しますから。
中央から左右に広げるように押さえます。

当然、玉の幅は左右に広がります。
ですから最初のガラス巻き付けはこれを予想して幅を狭くする考えです。

こんなふうにグイグイと成形しちゃいます。

細かな凸凹は後でバーナーで加熱すると
自然と綺麗な曲面になります。

ガラスの表面張力ですね。
ヘソがうまく出来ない時

ヘソってこの心棒のところ。窪んだように成形します。
とんぼ玉ってこのヘソが無いと商品価値ゼロ。

どうするかなんですが、中央側のガラスを左右にはみ出させてこんな形状に落ちつかせます。
外にガラスを押しながら寄せていって、コテの上で端っこ側をコロコロ回して完成させます。
又はヘソ用のガラスを追加で足して成形します。

ヘソ出来上がっても、製作中に温度をかけ過ぎるとヘソなくなりますから注意。
最初に出来たヘソ形状は完成まで形状保持するガラスの温度管理をしましょう。
ヘソが変形してしまうのはガラスの保持温度が高すぎるのです。

コテがいいの?ヘラがいいの。

成形に、押さえに使うのにどっっち??。
私はコテを使う時は玉をコロコロ回転させて滑らかな円にするとき位しか使いません。

なぜか?
   ヘラの方が断然使いやすいから。コテで玉の表面に対して平行に押さえるのって難しいです。
   だって指先から90度曲がってさらに90度曲がってその先端で作業する訳ですからね。

ちなみに使用ヘラはDIY店で売ってる鉄の板。フラットバーの名称で厚さ3ミリ幅20ミリ位と幅10ミリくらい。有り合わせで十分。

玉の回転は同数に

形を整えたり、成形したり、温めたりするのに、玉は常に回転させます。
この回転の向きと回数の話にまります。

回転は下回転、上回転は同じ回転数にしましょう。
極端には、60度回転したらば、逆回転を60度する。

回転方向にクセが有るとその方向に模様が歪みますよ。

引っかき棒材質はタングステン

鉄やステンレスでも引っかき作業出来るんですが
直ぐにガラスがくっ付く現象が出てしまい使い勝手が悪いです。

タングステン製の引っかき棒をお勧めします。
こちらの方がガラスがくっ付きにくいですよ。


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